韻文の世界

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音とリズムと文字で構成される日本の凝縮された韻文の世界。日本語の美しさを継承するために、あなたも参加しませんか?

30期生のゼミ合宿で参加者全員が「恋愛ポエム」を作りました。なかなか力作も多いので、せっかくなので、全部掲載しておきます。

30期生19名:20234月)

 

あなたを好きになった春、

あなたに熱くなった夏、

あなたに冷めた冬、

なんでだろう

この恋に秋はなかったのに。

 

一度離れて、あなたに会える喜びに気づきました

 

いつまでもこの時間が続いてほしい。

いつまでもあなたに笑っていてほしい。

いつまでもこの気持ちが変わらないで。

 

あのときこうしていればって思ってももう遅かった、、(意味深)

 

知ってる?

きみがくれる

可愛いって4文字は

破壊力最強のバズーカやねんで

 

好きな人の匂いは落ち着くし、忘れない

 

私が改札まで送った。

振り返ってくれるかなって期待したら

改札出てすぐに振り返って

また手を振ってくれた

この状況

まるで彼女やん、あたし

と思った

 

大事なのは歳の差より精神年齢の差

 

一度「好きだ」と認めたら

もっともっと好きになる

 

大切な人は思いもよらぬ所にいた

 

君が私を見て笑った

その笑顔だけで生きていける気がしたんだ

 

また1人になった

この痛みに懲りずに

きっとまた“誰か”を探してしまう

 

君がいなくても毎日楽しい

でも君がいたら毎日が幸せ

 

何があっても頑張れる

もうすぐ君に会えるから

 

満足原理でなんかで選んだんじゃない

完全情報があっても間違いなくあの人 は私の「最大」だ

 

ねえ、こっち向いてよ

僕はここだよ

僕ばかりが君の瞳を追いかけてる

 

追いかけても追いかけても、

夏の貴方は蜃気楼のように離れていく

 

図書館で二人で勉強した日

河川敷から二人で夕日を見た日

公園でブランコを二人でこいだ日

当たり前のようで当たり前でなかった日々

一生忘れないあの日々

 

さぁ行くぜ!

急上昇!急降下!急停止!

君と俺で彩る未来のために!

心の鼓動を響かせ千里の道へ歩んでいこう!

それはまるでジェットコースター!

ママバアバ ジイジブーブー やっとパパ

(昔出張族の会社の先輩が「やっと息子がパパと言ってくれたわ」と話していたのを思い出し作りました)

バイオリン しずかちゃんより 上手かな

(小三の娘がバイオリンを習っています。時々リビングで演奏してくれます)

(6期生・吉田誠:20211月)

豪快な 妻の寝息に 不眠症 連れ添うて はや三十年の夏

(片桐新自:20158月)

3人目のお子さんが生まれた森本川柳師の久しぶりの川柳投稿です。

姦しい 文字通りになる 三姉妹

あげたのに 返してもらう ベビーカー

(4期生・森本尚樹:20108月)

1回生の授業(「基礎社会学」)で出席を取る際に、「大学生川柳」をひねってもらいました。なかなかセンスのよいものがいくつもありましたので、少し紹介させてもらいます。

2010529日作句)

関西大学社会学部・大学生川柳(一回生)

イモかった あいつが いつしか スイーツに

大学生 イメチェンデビューに 命がけ

髪染めて ギャルになったと 母嘆く

大学は 今や 立派な ファッションショー

服選び 高校時代に 戻りたい

社ガールは しゃがんじゃだめよ はしたないっ!

あなた誰? メアド交換 ほぼ無意味

携帯の メモリー増えて これ誰だ?

二人分 ノート取るのは この私

大学に入って 気づいた 人見知り

彼女でき 浮かれて 単位 落としそう

サークルで フットサルして 恋も去る

急行に 乗れず あきらめ 自主休講

「大富豪」 ソシオで二時間 大学生

一週間 食いつないだぜ 新歓で

夕飯で もやしの凄さ 身に染みる

ウシさんは 何もしていない ブタさんも

川柳を なぜ書かされる 社会学

(返句)

川柳を 書かせりゃ わかる 大学生 (by 教師)

10年前に鎌倉に行き、実朝暗殺の伝説もある大銀杏を眺め、一首詠みましたが、今朝その大銀杏が根元から倒れました。1000年以上の樹齢を持つと言われていた大木です。どれほどの歴史を見てきたのでしょうか。

我も詠みし 八幡宮の 大銀杏 弁慶のごとき 大往生かな

(片桐新自:20103月)

人ごみの 騒ぎ遠のく ホタル灯(び)よ はかなく舞うは 光ばかりか

15期生・中村緑:20096月)

○木曽川沿いを北上し、白馬に泊まり、長野県大町から黒部ダムを経てアルペンルートを抜け、富山立山まで旅をしてきました。滅多にないほどの晴天だったようで、素晴らしい景色を堪能していたら、久しぶりに歌心が湧いてきました。(以下すべて、片桐新自作:20095月)

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清流のごとく 流れし 木曽川に 太郎の夢も 寝覚めたりしか

(木曽川沿いの上松にある「寝覚めの床」という景勝地には、竜宮城から戻った浦島太郎が変わってしまった故郷(丹後)に驚き、知り合いを求め諸国を旅し、ついにあきらめ、この「寝覚めの床」で、乙姫からもらった「玉手箱」を開いたという伝説が残っています。)

 

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残雪の 御嶽(おんたけ)詣れば 地上界 我が手に入れし 錯覚ぞ 起こす

(御嶽山から北を望むと乗鞍岳がくっきりと見えます。)

 

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五月晴れ 白馬三山 ジャンプ台 強者たちの 夢のあとさき

(白馬には、長野オリンピックの際に使われたジャンプ台があります。)

 

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峻厳な 自然と闘い 黒部ダム 人知は 自然を 超えるかと 思ふ

(黒部ダムをまのあたりにすると、「こんなものよく造ったなあ」としみじみ思います。)

 

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おだやかな 黒部の湖(うみ)に 壮絶な 歴史のありしを 想ふは 難し

(しかし、鏡のようにおだやかな黒部湖だけを見ていると、黒部ダム建設の壮絶な歴史は想像できません。)

 

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晴天の 北アルプスに 一人立ち 絶景かなと 笑う 我あり

(珍しく写真に入ってみました。)

 

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そそり立つ 真壁のごとき 立山の 水を 活かさんと 思う人あり

(立山ロープウェイを登った大観峰から黒部湖を望んだ景色です。)

 

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厳冬の 佐良佐良(ざらざら)越える 成政の 思い 届かず 秀吉に降(くだ)

(柴田勝家の与力で越中を治めていた佐々成政は、羽柴秀吉軍に攻められ、厳冬の立山を越え、浜松の家康に助けを求めに行きますが、結局家康は動かず、成政は再び立山を越えて戻り、秀吉に降伏をしました。)

 
花冷えの 夜道を歩く 二人かな
 
落ちるひに かがやく 吉野桜かな

(6期生・丸谷充伸:2009年4月)

おなじみ森本川柳師の久しぶりの川柳投稿です。相変わらずうまいですね。

 

垂乳根が 文字通りになる 二児の母
 
はしご酒 チェーン掛けられ 2時の父

(4期生・森本尚樹:2007年4月)

 
横丁に リムジンを見し あめんぼう
 
夜の底 踊るトマトの ピエロかな
 
風の香が 陰のスパイス 食堂車

 

(片桐悠自(高2):2006年7月)

 

 
新緑の 水面に映る 碧き山 ふと見上げれば 頂は雪

(片桐新自:2006年5月)

 

おなじみ森本川柳師の「親ばか川柳」

 

2歳児も 父派母派で 迷うらしい

 

二人目で 派閥勢力 均衡を!

 

たかいたかい 成長感じる ぎっくり腰

(4期生・森本尚樹:2006年4月)

 

ストレスを 晴らすはずの 飲み会で さらにストレス 溜める愚かさ

(匿名希望:2005年6月)

 

ベビー服 上下合わせて 四十着

 

入らない!2ヶ月前のも 四十着

 

公園で デビューするため また二着

(4期生・森本尚樹:2005年6月)

 

久しぶりに親ばか川柳

 

よく稼ぐ 少子化時代の お年玉

 

飲む 立つ 這う 祖父母も沸かす 三拍子

 

私たちの両親はバカかわいがりしています。

こんなに親孝行できるとは思っていませんでした。

(4期生・森本尚樹:2005年1月)

 

赤とんぼ うつくしが原の 道しるべ

 

秋雨に 木曽の流れも 濁りたる

 

鬼女の夢 偲びて歩く すすき道

(6期生・丸谷充伸:2004年9月)

 
子どもが産まれたばかりの森本川柳師より、親ばか三句。
 
デジカメに 同じ寝顔が 30枚
 
親祖父母 曽祖父母にも いじられて
 
馬鹿親に つける薬も 無いらしい
 
昨今の命名書には目を見張る(疑う)ものが多いです。例:常夏=アロハちゃん
 
落ち着こう そんな名前は ありえない

(4期生・森本尚樹:2004年4月)

 
北海道に向かう機上より富士山を見る
 
雲海を 突き抜けし 富士の峰 はるかに望む 飛騨の空より

(片桐新自:2003年9月)

 
 
越中八尾「風の盆」前夜祭を見て作る
 
編み傘を 深くかぶりし 乙女らの 見えぬ まなざし 想う 紅

(片桐新自:2003年8月)

 
満ち満ちて 桜 地上の 雲海となる
 
木蓮の 香り豊かな 春の朝

(片桐新自:2003年4月)

 
クリスマス 準備に 二ヶ月かかるのか
 
冬早く 紅葉 まるで信号機

(4期生・森本尚樹:200211月)

 
親元を 離れて分かる 有り難さ

(関大01生・SD君:200211月)

 
さよひとり やまへをゆく
こけむせる いしみちに
うめのはな
たかふえそ ねもすんて
おほろつき あらわれぬ
 
小夜ひとり 山辺を行く
苔むせる 石道に
梅の花
誰が笛ぞ 音も澄んで
朧月 現れぬ

 

片桐大自作(1981年1月『週刊読売』「新いろは歌」入選作品)

(父の作品です。45文字のかなをすべて1回ずつ使って作ったオリジナルな「いろは歌」です。)

「9・11」

だから、どうだというのだろう?

今日が誕生日の人もいる。祝っちゃいけないのかな?

世界がアメリカのために黙祷を捧げなきゃいけないのだろうか?

今日、黙祷を捧げる人は、8・6や8・9にも黙祷を捧げたのだろうか?

時間の問題?

それとも、世界のボスだから?

(片桐新自:2002年9月11日)

昨日から長野に行っていました。四季折々の信濃を楽しんでいます。帰りの列車の車窓からの眺めが、あまりにも美しく思わず句を詠みたくなりました。

 

木曽川の ながれ見つめし ふじの花

→透き通った川の水、鮮やかな新緑、さりげなく咲きつつも、春の山にアクセントをつけるふじの花。ほんとうに愛らしいく、控え目でありながら主張する様子は心うたれます。

 

夕陽映え 新緑の山 朱にそまりたる

→木曽川のすぐそばにそびえる山々は、まさに「新緑が 目に鮮やかな好季節」という言葉通り。深い緑の葉の合間にこの春、葉をつけた淡い緑がところどころに見え、新たな息吹を感じさせてくれます。そんな新緑の山に夕陽が射すと、一面、秋の紅葉のごとく朱にそまり、また違う様相を呈するのです。もう言葉では言い表せぬ感動。最高でした。

 

城に咲く 花見守りし 残り雪

→これは、少し前に松本を訪れた時、松本城の周りに咲く満開の桜の美しさにうっとりしつつ、城を見上げると、その背後に見える日本アルプスの山々には、かすかに雪が残り、なんとも冬と春を併せ楽しめた様子に感動し詠んでみた句です。

(6期生・丸谷充伸:2002年5月)

幼子を カメラにおさめる 若き父 コスモス揺れる 公園の秋

(片桐新自:200111月)

ペアリング 探す銀座は 秋モード

ただ アロマキャンドル見つめ 退職イヴ

母と会う 彼の額の汗 いとし

占いのせいか 夜長がのしかかる

結婚の知らせ 「今度は誰?」の日々

ケンカ慣れ 良くも悪くも 彼のそば

(4期生・宗田友美:200111月)

衣笠の 葉桜を見て 思い出す 昨年までの 千里の桜

(関大97生・NK君:2001年4月)

花吹雪 祭りの後の 春嵐 ハレの世界を ケに戻しつつ

(片桐新自:2001年4月)

(片桐新自青春叙情詩集 その三)

「ユトリロの街」

この角を曲がるとユトリロの街へ入れる

そんな期待があった日々

どこで無くしてしまったのだろう

1975年冬)

(片桐新自青春叙情詩集 その二)

「さよなら」

さよなら

それですべてが終わる

けれど

消滅しえない思い出は

胸の奥に沈み

そして苦しめる

 

さよなら

たった一言いいさえすれば……

1973年秋)

(片桐新自青春叙情詩集 その一)

「買われた花」

買われた花はじきに死ぬ

死んだ花は捨てられる

買われた花が飾られる

花瓶の代わりの牛乳瓶

流れぬ水の不可解さ

動かぬ水の不自然さ

買われた花が死んでゆく

黒く濁った赤花弁

誰も気づかぬチューリップ

名もない草の美しさ

光を浴びる新鮮さ

買われた花はじきに死ぬ

死んだ花は捨てられる

1972年春)

アドレスを 聞いたら住所 教えられ

プリンター 色を出せるの 年の暮れ

(4期生・森本尚樹:200012月)

そして 星の綺麗な夜がある

(関大97生・アサミ(ペン・ネーム):200012月)

酒飲みて あかく色づく 紅葉たち

(6期生・丸谷充伸:200011月)

人がみな嫌な奴だと思える日 きっと自分もそんな顔してる

(片桐新自:200010月)

見つめられ こんなにパスタが 大変なんて(題目:「緊張」)

(4期生・宗田友美:2000年9月)

オリンピック 見るのは水着 レオタード

ビーチバレー 男子の放送 やってるの?

ITを イットと読む父 責められず

(4期生・森本尚樹:2000年9月)

パソコンに 多くのことは 望みません 願いはひとつ とまらないこと

(4期生・森本尚樹:2000年8月)

日焼けして眩しく 水辺のツーショット

釧路発 野生の息吹に 触れた夏

ぷかぷかと 浮いて塩味 感じ合う

砂の城 側でフテ寝の ガリバー君

ビキニ跡 見られてしまう 夏の予感

(4期生・宗田友美:2000年8月)

気の抜けた 炭酸みたいな ノーメイク (題目:「オフ」)

「はぐれんな」 とっさに手つなぐ 天神祭 (題目:「祭り」)

秋晴れにイチョウ 息のむコントラスト (題目:「秋」)

何気なく 問うて 沈黙で返される (題目:「打ち明ける」)

 

藤咲いて 昨日の恋や 今日の恋

時間差の 春を抱きしめ 光堂

紫陽花の テラス寄り添う ティータイム

青空を願い 試着す ジューンブライド

(4期生・宗田友美:2000年6月)

「イチゴ・イチエ」

タイミングがタイセツダ!

タイミングがタイセツダ!

タイミングがズレテイル!

タイミングがズレテイル!

タイミングがズレテイ!

タイミングがズレテ!

タイミングがズレ!

タイミングがズ!

タイミングが!

タイミング!

タイミン!

タイミ!

タイ!

タ!

タイミングがアッタ!

タイミングがアッタ!

タイミングがタイセツダ!

タイミングがタイセツダ!

ダカラ「デアイ」ハタイセツダ!

(1期生・トーマス・ケント(ペン・ネーム):1999/5/21作)

昆陽の池に 人知れず咲く 菱の花

昆陽の池 行基しのびて 夕涼み

(6期生・丸谷充伸:2000年6月)

ファミレスで 出会っただけで 「やだあ、うっそー!」 三十路の主婦の 感性寂びし

鎌倉の 歴史を刻む 大銀杏 実朝公も 和歌を詠みしか

母と子が 佇みて見る 花菖蒲 折り紙のごとき 花弁は揺れ

(片桐新自:2000年6月)

雨の夜に 鳴り響きたる雷鳴を 内に秘めるか 我がお腹

(7期生・森岡太志:2000年6月)

雨に濡れ 蒼ざめ行く 紫陽花の  桃に変わるを ただ願いつつ

艶やかか はかなきか 闇の花  たなびく煙りに 後で問うとも

(4期生・清水聡子:1999年7月)

「ずっと」という言葉に魔法をかけられて(題目:「時間」)

『ダメだった。』と笑う彼見て笑えなかった(題目:「笑う」)

(4期生・宗田友美:1999年4月)

冬嵐 我がな身うたん 東尋坊

(6期生・丸谷充伸:1998年2月)

鈍いと思ふていた妻の 球の速さに驚く 12年目のキャッチボール

(片桐新自:1997年初夏)