「親ばかフランス紀行'94」
(9)  − 「さら砂だんご」との再会 −

8月29日、月曜日。
Jacob通りのホテルの斜め前にある郵便局から送った船便が、2月かかって、家に届いた。
息子は、船便の箱の中の、ひとつの包みを慎重に開けた。

中から出てきたのは、6月24日の朝にチュイルリ公園で、息子が、さらさらの砂を固めて作ったおだんご。  少し表面が欠けていたけれど、ちゃんと丸い形のままで、無事だった。
 海を渡ってきた自作の「さら砂だんご」と再会した息子は、何だか不思議そうな面持ちだった。

   大事な思い出の品、ジャムの空き瓶に入れて、本棚に飾ることにした。

          高校球児にとっての甲子園球場の土。
        4歳の男の子にとってのチュイルリ公園のさら砂。 

Katsuyuki Kamei 
                              


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