「親ばかフランス紀行'94」
(2)  − ピラミッドの広場と水鉄砲 −

1994年6月22日(水)
早朝、散歩を兼ねて、メトロのサン・ジェルマン・デ・プレ駅にCarte Musees et の壁には、この地区のかつての教祖たちの写真が貼られている。
Jean-Paul Sartre. Jacques Prevert.
朝食後、Jacob 通りのホテルから、車の通行量が多く、排気ガスの匂いが充満したRue des Saints Peresを通って、Quai Malaquaisへ。カル−ゼル橋(Pont du Carrousel)を渡ってル−ブル美術館(Musee du Louvre) に到着。5年前に訪れたときは、まだ工事中であったので、ピラミッドを見るのは初めてだ。
エレベ−タ−を降り、ホ−ルに出る。息子は、身体の不自由な方やベビ−カ−を押している方のための円形の昇降機に乗りたそうな顔つきであった。
まず、Pavillon Sullyに入る。ところが、ここで、妻がダウン。旅の疲れと、昨夜のFete de la Musiqueの喧騒による睡眠不足が原因のようだ。妻はホテルに戻り、休養。ということで、ピラミッド広場に息子と2人。何故、残ったかというと、息子が、こんなことを言い出したからだ。

子:「みずてっぽうほしい!!」
親:「み、水鉄砲?」
(あ、そうか。昨日の夕方と今日の朝、TVで水鉄砲のコマ−シャルやってたなあ。)
子:「みずてっぽう。あれ、ほしい。」
親:「う−−−ん。」
(日本で、こんなねだり方をされても一切拒否だが、ここは異郷の地。母親もダウンしてしまったことだし、まあいいか。)
親:「よし、買いに行こう!」
(とは言え、おもちゃ屋なんてどこにあるのかなあ。そうだ! SAMARITAINE に行けば、何でもあるだろう。)

LouvreのPorte St. Germain l'Auxerrois からSt. Germain l'Auxerrois 教会の前を通って、SAMARITAINEへ。
昨日あれだけ美しかったPont Neuf の花の装飾は、既に取り外されている。SAMARITAINE のおもちゃ売り場は、Pont Neuf の正面に見える本館的建物の中にはない。その隣のRue du Pont Neuf に沿った細長い別館的建物全体がおもちゃ売り場である。親におもちゃをねだる子。孫のためにおもちゃを買ってやろうとあれこれ選んでいる年配の方。日本でもお馴染みの光景。
さて、水鉄砲。最も小さいものを選んだ。65F。

再び、ピラミッドの広場へ。息子は小さいピラミッドを「ダイヤモンド」と呼ぶ。水鉄砲に噴水の池の水をセット。しかし、あれこれやってみても、水が出ない。どうなってるのかなあと、思っていると、突然、ピチュ−ッ。あやうく観光客ご夫妻に当たるところであった。その後、息子はピチュ−ッ、ピチュ−ッと大はしゃぎ。

私は、水を汲んでは、セットしてやり、童心に帰って楽しんだ。遠足の高校生たちは、私たちの方を見て、「何やこいつらは」てな眼差し。しかし、美術の宝庫の前で、私はいったい何をやっているのだろうか...。ピチュ−ッ。
夕刻、体調を取り戻した妻と共に。再びLouvreへ。子供に急かされ、駆け足ながらも、 新生 Louvreの中の様々な美術品を鑑賞する。美術館を出ると、やはり再び、ピチ ュ−ッ、ピチュ−ッ。

Katsuyuki Kamei

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