「渋沢・クローデル賞」表彰式  2002116  東京  恵比寿  日仏会館

 

「ルイ・ヴィトン  ジャパン特別賞」受賞スピーチ

 

  こんばんわ。大阪より参りました関西大学の亀井でございます。本日は,私の拙い本に対しまして,かくも栄誉ある賞を賜り,誠に有り難うございました。

 

(本賞を主催して下さった日仏会館,毎日新聞社,後援して下さったフランス大使館,渋沢青淵記念財団竜門社,,協賛のルイ・ヴィトン  ジャパン株式会社,そして日本側選考委員会,推薦書を書いて下さったフィリップ・シャティニュ総領事ならびに原輝史早稲田大学教授,そして本賞ご担当の日仏会館の井田様)

すべての関係者の方々に心より感謝申し上げます。

 

  私は,研究者としてフランスに関係する研究を始め,著作を出版するようになりまして以来,この「渋沢クローデル賞」をずっと目標にしてまいりました。実際,本書は私の3冊目の著書でございまして,応募するのも,これが3度目でございました。また,年齢制限にもほぼぎりぎりの歳となっておりました。 それだけに今回の受賞。感無量でございます。

 

  なお,本書によりまして,9月に,大阪市立大学より博士(商学)の学位を賜り,日本リスクマネジメント学会より学会賞を賜りましたので,三重の喜びとなりましたことをご報告させていただきます。

 

  私の本は,現代の不確実で変化の早い環境の下で,企業がいかにリスクをとって経営戦略を展開すべきか,すなわちより良いリスクテーキングの在り方とは何かをテーマとして追求いたしております。このテーマを軸に,第一部では,現代フランス企業の経営戦略,第二部では,フランスにおけるリスクマネジメント理論と,フランス企業におけるリスクマネジメントの実践をそれぞれ分析いたしました。フランス企業の経営戦略は,本書で取上げたフランス自動車産業における近年のマーケティング戦略や,バンカシュランスと呼ばれる銀行と保険の相互参入戦略など,世界に類例を見ない非常にユニークな展開を見せているものがあります。

 

  さて,ここに4年前の1998年に出版いたしました本書(「フランス企業の経営戦略とリスクマネジメント」)の初版を持ってまいりました。これは,具体的には第16回「渋沢クローデル賞」の落選作でございます。

 

  この初版を執筆しておりました今から6年ほど前に,この日仏会館にフランス政府給費留学生試験の面接のためにやって参りました。そのときに,フランス人の面接官の方にこのように言われました。「どうしてフランスの自動車産業なんか研究しにフランスに行くんだ。フランスの自動車メーカーなんかまったく競争力がないじゃなかいか」と。

 

  しかし,その後のフランス自動車メーカーのめざましい動きはどうでしょうか。

1999年に,ルノーが日産とグローバル・アライアンスを締結,カルロス・ゴーン氏が日産の経営を再建し,一方のPSAプジョー・シトロエングループは,1998年に206を発表して以来,一連のイノベーションで,驚異的な勢いで販売台数を伸ばしております。

  また,バンカシュランスについては,2000年より,銀行による自動車保険の窓口販売が本格化しました。そして,1999年末のタンカー座礁事件や暴風,2000年秋の狂牛病騒動による社会的パニックといった状況から,危機管理やリスクマネジメントが社会的に注目されるようになってまいりました。

 

  このような動きを,新版の中に盛り込み分析いたしました。初版から新版へのこの250ページ分の膨らみは,近年のフランスの企業経営の目覚しい展開の重みとお考えいただければ幸いです。

 

  さて,本書の発表の日付は20019月の10日でございます。その翌日の911日にアメリカにおいて世界を震撼する出来事が発生いたしました。次は,この2001911日以降の世界の情勢を踏まえて,研究をまとめる必要が出てまいりました。

 

  今後,私は,渋沢栄一とポール・クローデルという日仏交流に貢献した人物の名前を冠した賞の受賞者として,その名に恥じぬように,そして,いつまでも感謝の念を忘れぬように,精進を続け,微力ながら,私なりに日仏交流に貢献してまいりたいと考えております。

 

  スピーチ最後の90秒間はフランス語で,ご挨拶いたしておきます。

 

 

    Medames, Messieurs, bonsoir.

    Tout d’abord, je tiens à remercier à toutes les personnes concernées dans le cadre du prix “Shibusawa-Claudel”.

 

    Depuis que j’ai commencé à faire de la recherche dans le domaine de la gestion en France et à écrire des livres, je fondais un espoir envers ce prix.  En fait, c’était mon troisième livre et c’était aussi ma troisième candidature à ce prix.  De plus, je suis proche de la limite d'âge.  Je suis donc très heureux d’avoir été choisi cette fois-ci.

 

  Mon livre s’intitule La Stratégie des Entreprises Françaises et la Gestion du Risque. 

  Le sujet de mes recherches traite la prise du risque dans l’élaboration des plans stratégiques de l’entreprise et sa mise en æuvre efficace.  A ce propos, j’ai analysé la démarche d’entreprises françaises et j’ai noté parmi celles-ci des particularité unique au monde : comme exemple l’innovation dans l’Industrie Automobile et la Bancassurance.

 

  A titre de remerciments et pour honorer ce prix portant les noms d’Eiichi Shibusawa et de Paul Claudel qui ont contribué à la relation Franco-Japonaise, je m’efforcerai de poursuivre mes recherches dans le souci de faire mieux.

  Dans cette intention, je prends comme références les 5 philosophies de Groupe LVMH selon le président Bernard Arnault dans ce livre, lesquelles dans mon cas se trraduisent par :

- la qualité de ma recherche,

- la créativité de ma recherche

- l’image d’un chercheur moitvé

- avec un esprit d’entreprise

- et avec la volonté de remettre en permanence en cause et d’être parmi les meilleurs.

 

    Je vous remercie de votre attention.

 

    ご静聴どうもありがとうございました。