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Cante(カンテ)

フラメンコの後ろでおじいさん達が、「あーーぃーーーあああーーー」とかうなってます
よね?あの声質と旋律がとても好きなんです。で、今日は詞のご紹介。


大学の時、第二外国語でスペイン語を取っていたんですが、唯一得られたのは、
Borgesの小説の中で事件の顛末が終わって、主人公の少年が述べた、
「僕はあの時の小屋の壁が夕陽で真っ赤に染まっていたのを、記憶の中で今は西風と混同している。」。
というフレーズだけでした(I崎先生ごめんなさい)。しかし、たった1行であっても、そういう出会いって
大切だと思います。以下の詞もそういう出逢いのひとつです。


La luna es poso chico    月はただの小さな井戸
Las flores no valen nada   花だってなんの価値もない
lo ue valen son tus brasos  価値があるのは.....
cuando de noche me abrazan 夜、私を包んでくれる, あなたのその腕 

Cuando fuiste novio mio   あなたが私の恋人だった時
por la primavera blanca    白い春のころ
los cascos de tu caballo   あなたの馬の馬蹄の音
Cuatro sollozos de plata   四つの銀のすすり泣き

旋律としては、Cuando--fuiste--------- novio mio----------- のところで盛り上がります。
男性が歌う場合は、novia mia と歌います。個人的にぐっとくるのは、「白い春」のところとその後。
「cascos(カ(ス)コ」っていうのは馬のぽっくりぽっくりいう音の擬音語ですね。「sollozo(ソジョソ)」も
そうでしょう。音を銀に喩えるのはすごい共感覚だなあ。
もしかしたら、馬の脚に銀の鈴でもついていてその音が鳴る、というメトニミーなのかもしれないんですが。