長谷川伸「関西大学における学生参画型授業の開発」・大八木貴子・小椋充子「私たちの中南米経済論」（2002年11月30日）

明治大学情報科学センター第8回情報教育研究会「情報倫理を問い直す＆学生参画型授業づくりの最先端活動」
主催：明治大学情報科学センター・共催：情報文化学会・後援：明治大学学長室（2002年11月30日）

長谷川伸「関西大学における学生参画型授業の開発―私たちの授業史―」

大八木貴子・小椋充子「学生参画型授業―私たちの中南米経済論」

［現在編集中］

■プレゼンテーション資料・配布資料

「配布資料一覧」
長谷川伸「関西大学における学生参画型授業の開発―私たちの授業史―」(PowerPoint/PPS形式, r20021130pr4web.pps, ---k)
大八木貴子・小椋充子「私たちの中南米経済論」(PowerPoint/PPS形式, r20021130pr_ohyagiogura.pps, ---k)
長谷川研究室「2001年度中南米経済論『学生による授業評価』アンケート自由記述一覧」2001年。
「授業企画書」2002年度第20回（10月31日）(PDF)
『中南米経済論新聞』2001年6月21日付
K.U.「中南米経済論学びのプロセスチャート」（前期）2001年
参画文化研究会複写式シールラベル

■大八木貴子・小椋充子「私たちの中南米経済論」シナリオ

■提出していただいた感想ラベル

※全て貴重なコメントです。これからも奢らずに，こつこつと学生たちと学びを大切にする授業実践を積み重ねていきたいと思います。本当にありがとうございました。

●長谷川伸「関西大学における学生参画型授業の開発―私たちの授業史―」に対して(13名14枚)

説明・発表させるという最も理解度の高い授業を成立させていることは凄いですが，質の低下はないのですか？（教員?）

→
先日，学生アンケートをしたのですけど，指導力がない教師に習うと，「学びからの逃走」モードになっているようです（教員）。

→そうかも知れません。ただ「学びからの逃走」は日本における学校全体に広く一般に生じているので，多少の「指導力」を発揮するだけでは「学びからの逃走」を防ぐことはできないと認識しています。「学ぶことを学ぶ」ことを授業・教室で追求して学習観・授業観を転換しない限り，「学びからの逃走」は止むことはないと思っています。
多対多の細い線と太い線の違いとは？（学生）

→やりとり（対話）の量と考えてください。
先生のアイディアの一部を使った授業がいくつか経験がありますが，そういった授業の良いところを凝縮した感じでとても興味をそそられました（学生）。

→
ラベルの複写枚数，3枚で足りますか？5枚ぐらいあるといいと思うけど（教員）。

→
かなり走っていましたね。でも言いたいことは伝わってきました。お疲れさま（学生）。

→ありがとう。少し欲張りすぎたかも知れません。私もまだまだです。
学生時代，自分で勉強していた内容に自分は満足していたのですか（学生）。

→学生時代は「学びは個人のもの」と認識していましたので，満足していたと思います。
ききほれてしまった。私たちの内容とかぶってわかりやすかった（学生）。

→ありがとう。「聞き惚れる」とは発表者冥利につきます。
参集型から参与型への導入ポイントが大変参考になりました。レポート/ラベル・コミュニケーションの記録の力（教員）。

→少しでも参考になれば幸いです。
「作品」化の話は私もよくわかります。例の橋本方式で出てくるエントリーレジュメは大半が私の期待を大きく越える「作品」になっています（教員）。

→
参画授業へ発展させるためには苦労があったと思いますが，一番の苦労はなんですか？

→一番の苦労は，学生を「信じて待つ」ことでしょうか。別の角度から言えば，学生と教員との距離の取り方でしょうか。これまでもこれに一番苦労してきましたし，現在でも苦労しています。
自分の意見を言う人，言わない人が，偏ってしまいませんか。

→
学ぶ前にテーマを決めてしまうことで，何か問題はありませんでしたか。またどのように対処しましたか。

→
参画型について，林先生以外の方から解説があると新鮮な感じ。再確認することができました（学生）

→

●大八木貴子・小椋充子「私たちの中南米経済論」に対して(4名6枚)

経済学教育学会（京大）にひき続き楽しいプレゼンを興味深く拝聴しました。2回目以降「逃げた人達」に楽しさを伝えるチャンスはありますか？（教員）

→授業に来ない人達の多くは「逃げた」のではなく「出席することを選択しなかった」人達だと思っています。今のところそういう人達には授業に来てもらって今の私達を感じてもらわない限り楽しさを伝えることは難しいような気がします。ちょっと考えてみます（大八木）。

→ここは大八木さんが答えてくれるので、私は言う事ありません（小椋）。
なぜ「私たちの授業」でなくて「私の授業」なの？「学び」は個人のもの，集団のもの!?（教員）

→学びは集団のものである前に個人のものであるべき。個人の学びがあって初めて集団でそれを共有できるようになる，集団での学びになり得る。そう考えています（大八木）。

→プレゼンでお話した雰囲気は(1)言いたい事を言う，(2)「わからない」と言える，(3)わかるまでゆるさない，なのですが，なぜこのようなことが中南米経済論で言えているのか考えました。それは，みんなが他の誰の物でもない「私の授業だ」と思っているからなんですね。それは，私の授業なのだから私のわからない所を無視するな！というように，自分のものなので授業に対しわがままになっているんです。「私たちの授業」と考えていたら，私たちみんなのために，分かるまでゆるさないなんて行動は果たしてでるでしょうか？また，個人の学びもあれば，集団で学ぶ学びもあると思います。企画班は自分の学びをし，そこから発見したものをみんなと共有しようとします。企画班はそれぞれ個人の学びをしています。しかし，その企画班の学びをみんなで授業中ディスカッションしたりしているうちに，企画班さえ気づかなかったような発見や学びが生まれたりするのです（小椋）。
授業の状況が，自分たちには分かっているのだろうけど，私を含めた聴衆には十分に状況がハアクできなかったように思う（教員）。

→「この子たちの授業，なんとなく想像できるなぁ。」それくらいを感じていただければいい。そういう思いで発表していたのですが，やはり聴衆の皆さんを十分意識する余裕がなかったことを自覚しています。ご指摘，以後に生かします（大八木）。

→申し訳ありませんでした。私たちの言葉で雰囲気をお伝えしようと努力したのですが，残念です。しかし，雰囲気は我々のプレゼンでの雑談のように，みんな言いたい事言い合っているという感じなのです（小椋）。
次に自分の発表だったのであまり内容はわかりませんでしたが，内々の発表は良くないのではと思います。僕らも準備段階でそう林先生に釘をさされました（学生）。

→長谷川先生が授業内容を先に説明されたので，そこに補足するとしたらあのような発表が一番かなと思ってあえて内輪の話をしました。中南米経済論をご存じない方にもわかるようにと気をつけてはいたのですが，もっと工夫する余地はあったかもしれません（大八木）。

→私たちは理論で話すよりも，自分達の普段の言葉で，普段の様子を話した方が雰囲気が伝わりやすいのではないかと感じたので，ああいう形のプレゼンにしました。だから，内容については内々だとはあまり思っていないのですが，緊張してしまって，プレゼンの仕方が，聴衆をあまり意識していなかったように思います。二人だけで話してしまったように思います（小椋）。
自分の意見を言う人，言わない人が，偏ってしまいませんか。

→表だって発言する人は確かに偏ってはいます。しかしそれができない人でも意見があればグループ内での発言，ディスカッションでの発言という形でかなり出せていると思います（大八木）。
学ぶ前にテーマを決めてしまうことで，何か問題はありませんでしたか。またどのように対処しましたか。

→ テーマを決めても，調べていくうち思わぬ方向に興味が湧いて内容がガラリと変わることはもちろんありました。テーマは出発点にすぎないので違う分野で学びがあればそれに固執する必要はないと先生始め受講生みんなが考えていると思います。なのでその点で問題はありません（大八木）。

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Author: Shin Hasegawa
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